親亡き後の実家に友人が住んで管理してもらうのはOK?

ある日のご相談…

「実家は、両親が入院して住まなくなった後も、私が片道1時間以上かけて通って、定期的に空気の入れ替えをしたり掃除をしたりして、手入れをしていました。

弟と妹は、昔から実家のことなんて全然気にかけてくれません。

…そんな中、父母が相次いて亡くなりました。

弟も妹も実家の片付けをやらないので自分だけイライラしていたところ、私の信頼できる友達が、実家に住みつつ片付けを手伝っても良いといってくれました。

そこで、ご好意に甘えて、無償で住んでもらって、片付けと管理をやってもらおうと思っています。」

長女様の、今までの実家の手入れのご苦労と、不平等さを感じるお気持ち、お察しいたします。

自分が負担に思っていた作業を友人が代わってくれるのであれば、良いお話に感じるかもしれません。

…しかし、遺産分割協議が終わっていない実家に他の人を自分だけの判断で住まわせるのは、やはり避けた方が良いかと存じます。

不動産を人に貸すには、有償でも無償でも、共有者の過半数の同意(建物3年超・土地5年超なら全員の同意)が必要になります。

ご両親名義だった実家は、死後の遺産分割協議が終わるまで、自動的にお子さん全員の共有状態になります。このご家庭の場合は、長女のご相談者様・弟様・妹様で持分1/3ずつです。

以上から、法律上、ご相談者様お一人の判断で弟様妹様の同意なくご友人に貸す権限はないこととなります。

また、このご友人の方に「無償で貸す」というのも、良いとは言えません。共有者が家賃という経済的利益を得るチャンスを勝手に奪っているという見方も成り立ちます。

更に、この不動産を売却しようとなった時などにこのご友人がスムーズに退去してくださるように条件を整えるのも不可欠です。

このように、分割未了の不動産を貸すなら、いつまでいくらで貸すのか、兄弟姉妹全員で慎重に話し合い、トラブルを防止するためにきちんと賃貸借(無償の場合は使用貸借)契約書を用意する必要があると思います。

もちろん、遺産分割協議でご自身の単有になってからは、おひとりの判断で賃貸に出すのも売却するのも自由です。

相続手続きから派生する、トラブル防止対策や関連書類作成等も、ご相談下さい。

必要な場合は弁護士・司法書士の先生におつなぎいたします。